ファーは大きく2種類あり、フェイクファーであれば自宅でお手入れできます。
この記事では、ファーの洗い方を解説します。具体的な手順や準備しておくもの、自宅でお手入れするメリットなども解説するため、ぜひ最後まで参考にしてください。
ファーは自宅でお手入れできる?
ファーは種類によっては、自宅でもお手入れできます。ただし通常の洗剤ではなく、中性洗剤などを用いる点に注意が必要です。ファーのふわふわした触感を保つためには、洗い方や乾燥方法に気をつけましょう。
ファーの種類
ファーの種類はリアルファーとフェイクファーの2種類です。ここではそれぞれの素材について、その特徴を解説します。
リアルファー
リアルファーとはそもそも、動物の毛皮のことです。見た目が美しく、保温性が高い点が特徴です。しかし近年は、動物福祉や環境への配慮から、毛皮の販売を禁止している国が増えました。ハイブランドでも、使用を中止する傾向にあるため、リアルファーを使った服は、現在では貴重なものとされています。その他、リアルファーの特徴は以下のとおりです。
- 保温性が高い
- 触感が柔らかで、光沢が美しい
- 弾力性と耐久性に優れている
一方で、動物の個体によって色や毛の長さに違いがある、紫外線に弱い、害虫・カビによる被害を受けやすいといったデメリットもあり、こまめなお手入れが必要です。
フェイクファー
フェイクファーとは、動物の毛皮に似せ、合成素材を使用して作られた人工素材のファーのことです。近年ではフェイク(偽)ではなく、環境に配慮しているという意味から「エコファー」と呼ぶこともあります。フェイクファーは、繊維やプラスチックといった合成材料から作られています。
リアルファーと比較してコストが低いことが特徴です。倫理的な観点から、最近ではフェイクファー(エコファー)を使用することが一般的になっています。フェイクファーには、以下のメリットがあります。
- 価格が安い
- 耐久性に優れている
- 手入れがしやすい
- リアルファーに近いクオリティになっている
- 天然の毛皮にはない色味を出せる
一方で、熱や湿気に弱いといったデメリットもあるため、取り扱いには注意してください。
ファーのお手入れ方法
リアルファーとフェイクファーでは、お手入れ方法が異なります。それぞれのお手入れ方法について、解説します。
リアルファーのお手入れ方法
リアルファーはデリケートな素材です。水洗いができないため、基本的に自宅で洗濯することはできません。クリーニング店へ依頼すると、パウダークリーニングという特殊な方法でクリーニングしてくれます。専門のクリーニング工場にて行われるため、自宅で手軽にお手入れできる素材とは言えません。
フェイクファーのお手入れ方法
フェイクファーの場合、自宅でお手入れできます。中性洗剤を使って、手洗いするか洗濯機のデリケートコース(おしゃれ着洗いコース)を選択してください。
ただし、繰り返し洗濯すると毛が擦り切れる可能性があるため、頻繁に洗濯しなければならない衣類は、ファーが取り外せるものを選ぶと良いでしょう。
フェイクファーのお手入れで準備するもの
フェイクファーを洗う前には、以下のものを用意してください。
- 40℃以下のぬるま湯
- 洗濯ネット
- 衣類用ブラシ
- 中性洗剤
- 柔軟剤
いずれも、多くのご家庭に揃っているものであるため、フェイクファーが比較的お手入れしやすい素材とわかります。
お手入れする前に確認すること
お手入れする前には、いくつかの確認事項があります。自宅のファーが水で洗えるものなのか、以下の点を参考にチェックしてみてください。
部分的に革が使われていないかチェック
ファーだけでなく、革が使われていないかチェックすることも重要です。革が使われている衣類を水洗いしてしまうと、縮んでしまいます。洋服によっては、部分的に革が使われています。服全体だけでなく、革がポイント使いされていないか確認してください。
洗濯表記も確認する
洗濯する前に、まずは洗濯表示を確認してください。水洗い禁止のマークがある衣服は、フェイクファーの場合でも水洗いできないため、クリーニング店でお手入れします。
フェイクファーの洗い方
次に、フェイクファーの洗い方を解説します。洗濯機を使う場合や、手洗いでファーを洗う場合について、それぞれ解説します。
洗濯機でファーを洗う場合
洗濯機でファーを洗う場合の手順は以下の通りです。
- ファーを畳んで、洗濯ネットに入れる
- おしゃれ着用洗剤(中性洗剤)・柔軟剤を入れる
- デリケートコースで洗う(脱水は1分)
- 陰干しする
- 乾いてからブラッシングする
手洗いでファーを洗う場合
手洗いでファーを洗う場合の手順は、以下の通りです。
- 40℃以下のぬるま湯に、おしゃれ着洗剤(中性洗剤)を溶かす
- ファーを浸し、上から優しく押し洗いする
- 泡が出なくなるまで水を入れ替えて、すすぐ
- 再び水を溜め、柔軟剤を少量溶かす
- ファーを浸す
- すすがず畳み、洗濯ネットに入れる
- 洗濯機で1分脱水する
- 陰干しする
- 乾いてからブラッシングする
フードについたファーのお手入れ方法
フードの装飾としてファーが使われている場合、皮脂や外気の汚れで、毛がゴワゴワしてしまいます。アウター本体を洗う場合、取り外し可能なファーは外しておきましょう。ファー単体で洗えるものは、上記の手順で洗ってください。
ファーを自宅でお手入れするメリット
ファーを自宅でお手入れするメリットはいくつかあります。ここでは、以下3点について解説します。
長く、綺麗に使える
定期的な洗濯だけでなく、日常的に簡単なブラッシングをすることで、きれいに長く使えます。ファーのふわふわ感が維持できるため、お気に入りの一着を長く愛用したい人は、こまめにブラッシングしましょう。
コスパが良い
自宅でファーを手入れできると、タイパとコスパがよいでしょう。特別な道具も必要ありません。クリーニング店にお願いするよりも、費用が抑えられるうえに、店舗へ持ち込む手間などもかかりません。
環境にやさしい
フェイクファーを長く愛用することには、動物福祉や環境への配慮だけでなく、サステナブルファッションという観点でも意味があります。近年、ファッション業界における、大量生産・大量廃棄が問題となっています。自宅で正しくお手入れすることで、環境問題への配慮もできます。
ファーのお手入れ頻度は?
ファーを洗濯する頻度は、シーズンの初めと終わりに1回ずつ程度でよいとされています。頻繁に洗うと、風合いを損ねる可能性があるため、適切な頻度でお手入れしましょう。
冬アイテムのお手入れ方法
冬アイテムには、ファーのほかにも「どうやって洗えばいいのだろう」と疑問に思うアイテムがいくつかあります。ここでは、ボア・フリース、ムートンについて解説します。
ボア・フリース
ボアやフリース素材は、ファー同様にふわふわ感を維持したいアイテムです。通常どおり洗濯してしまうと、ぺしゃんこになってしまうかもしれません。しかし、ファーよりも汚れやすいため、より高頻度でお手入れしなければならないでしょう。洗い方は「手洗い」がおすすめであり、具体的な手順は以下のとおりです。
- 40℃以下のぬるま湯に、おしゃれ着洗剤(中性洗剤)を溶かす
- 洗剤を溶かし、押し洗いする
- 汚れがひどいところは、もみ洗いする
- しっかりとすすぐ
- 再度水をはり、柔軟剤を溶かす
- 柔軟剤ですすぎ、軽く脱水をかける
- 陰干しする
- 強度のあるブラシで、毛を立ち上がらせる
ボアやフリースは熱に弱いといった弱点もあります。そのため、乾燥機の使用は厳禁です。ふわふわ感を維持するには、洗濯後のブラッシングが決め手です。
ムートン
ムートンも自宅の洗濯機で洗えます。具体的な手順は以下のとおりです。
- 埃や汚れをあらかじめ除去する
- 中性洗剤かウール用洗剤を使って洗濯する
- よく脱水する
- 洗濯ばさみなどで伸ばし、風通しの良い場所で干す
- 7割ほど乾いたタイミングで、ブラッシングする(毛玉を防ぐ)
- 完全に乾いたら、再びブラッシングして毛並を整える
ムートンは毛が絡まりやすく、匂いがつきやすいというデメリットがあります。そのため、日常のケアも大切です。方法は、表面や毛と毛の間の埃を叩き落とす、掃除機で吸引してゴミを吸い取ることなどがおすすめです。
まとめ
リアルファーとフェイクファー、それぞれのお手入れ方法を解説しました。どちらもデリケートな素材であるため、通常通り洗濯することはできません。また頻繁にお手入れしすぎると、生地が傷むおそれがあります。
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