毛皮のリアルファーとフェイクファーの違いとは?お手入れ方法も解説

毛皮のリアルファーとフェイクファーの違いとは?お手入れ方法も解説


ファーには、リアルファー(天然毛皮)とフェイクファー(模造毛皮)があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

この記事では、ファーをハンドメイドの素材に利用したい人に向けて、リアルファーとフェイクファーのメリットやデメリット、それぞれのお手入れ方法などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

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ファー(毛皮)とは

ファー(毛皮)とは、本来は天然毛皮のことを指し、動物の毛を使ったものを意味します。しかし、最近では、ファー(毛皮)と呼ばれる範囲が広がり、模造毛皮も含めてファーと呼ばれるようになりました。

天然毛皮はリアルファー、模造毛皮はフェイクファーとして区別されています。

リアルファーとフェイクファーの違い

天然毛皮であるリアルファーと、模造毛皮であるフェイクファーの違いについて解説します。

リアルファーとは

リアルファーは、動物の毛皮を使用しているため、フェイクファーに比べて高価です。本物の毛皮を加工して製品にしていることから、風合いが豊かなことも特徴の1つです。

動物の毛には、綿毛(わたげ)と刺し毛(さしげ)があり、それぞれ役割が異なります。柔らかくて短い特徴がある綿毛の役割は体温調整です。刺し毛は動物の柄を表す特徴があり、固く、艶があります。外敵から身を守る役割を持っています。

フェイクファーとは

フェイクファーは、アクリルをはじめとする合成繊維で作られています。裏面に織や編み構造の基布がみえるため、合成品だと判断可能です。

基本の組織はパイル織、パイル編です。ループパイルを切り開き、起毛することで毛皮の質感を実現しています。パイル糸を長短に分けることにより、刺し毛と綿毛の触り心地の差を生み出しています。基本構造は、タオル地やベロア素材などと同様です。

エコファーとは

近年、エコファーがファッション業界のトレンドです。フェイクファーとエコファーの意味は同じです。フェイクが偽物を連想させることから、最近は、エコファーが浸透しつつあります。

リアルファーのメリット・デメリット

リアルファーのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

リアルファーのメリット

リアルファーは、柔らかい触り心地とツヤ感のある美しい光沢から、ラグジュアリーな印象を与えてくれます。

また、断熱性・耐水性に優れています。毛の密度により含まれる大量の空気が断熱材の役割を果たすためです。綿毛が細かく生えていればいるほど、保温力が高まります。

温かい空気の層が体温の放出を防ぐためです。弾力性にも優れているため、ラグやクッションなどに利用すれば、快適な座り心地を実現できるでしょう。

リアルファーのデメリット

リアルファーは毛皮本来の美しさや性能、見た目を保つためには利用時や保管時の対策が必要です。適切な保管状態でなければ、カビや虫害にさらされるリスクが高まります。日光による劣化や紫外線による退色にも注意しなければなりません。香水やヘアスプレーがかかると、変色したり、シミになったりすることもあるでしょう。

臭いを吸収しやすい点もデメリットの1つです。たばこや香水、防虫剤の臭いには注意しましょう。自宅では洗えないため、専門業者による特殊な手入れが必要です。

フェイクファーのメリット・デメリット

フェイクファーのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

フェイクファーのメリット

フェイクファーは、リアルファーよりも手入れがしやすい点がメリットです。リアルファーは、水洗いができないことがほとんどですが、フェイクファーは耐久性が高く、製品によっては自宅の洗濯機で丸洗いが可能です。比較的安価で、手に入れやすいこともメリットの1つにあげられます。

発色性に優れ、さまざまな色や柄が楽しめることもメリットです。フェイクファーに使われているアクリルに優れた発色性があるためです。また、アクリルには耐久性が優れているという特徴もあります。

フェイクファーのデメリット

フェイクファーは、着心地やラグジュアリー感といった点では、リアルファーに劣ります。また、熱や水分に弱いこともデメリットの1つです。ドライヤーや暖房機器から出る温風で、素材が収縮することもあります。近くでドライヤーやアイロン、ストーブなどを使う際は、十分に注意しましょう。

フェイクファーは、環境に優しい素材といわれていますが、必ずしも環境によいわけではありません。自然に還らない化学繊維を使用しているためです。

リアルファーの種類と特徴

リアルファー(天然毛皮)は、世界三大毛皮といわれるセーブル・チンチラ・リンクスをはじめ、幅広い種類があります。

ここでは、ファッションアイテムとして頻繁に活用され、リアルファーの種類のなかでも身近であるラビット、ムートン、ミンクそれぞれの特徴について解説します。

ラビット

ラビットは、ウサギの毛皮のことでシロウサギ(白色)、クロウサギ(黒色、黒褐色)など、さまざまな種類があります。染色・加工しやすく、コートやマフラー、アクセサリー、バッグなど幅広いアイテムに利用されています。

毛は短めで軽く光沢があり、ふわふわした肌触りが特徴です。比較的安価なため、ファー初心者でも取り入れやすいでしょう。

なお、皮が薄く毛の気密性が低いため、保温性には優れていません。

ムートン

ムートンは、羊の毛皮のことです。ラグやシーツなど、家庭用品にも幅広く使用され、その範囲は、コートやマフラーなどファッションアイテムに留まりません。

吸湿性に優れており、サラサラとした肌触りを保てます。空隙(くうげき)と呼ばれる空気を含む隙間があるため、断熱、保温性も高めです。

ミンク

ミンクは、イタチ科の毛皮です。高級ファーとしてよく知られており、「毛皮の女王」との通称もあります。もともとミンクは濃褐色のみでしたが、突然変異種が現れ、カラーバリエーションは約40種類に増加しました。

ミンクには、溜めた水分を放出する性質があり、サラサラした肌触りを保てる特徴があります。そのため、蒸れずに快適な着心地を実感できるでしょう。保温性にも優れ、刺し毛には耐久性があります。革が丈夫で、ある程度厚みがあることも特徴の1つです。

リアルファーとフェイクファーのお手入れ方法

リアルファーとフェイクファーは、お手入れの方法が異なります。それぞれのお手入れ方法を解説します。

リアルファーのお手入れ方法

リアルファーは、一般的に水洗いができません。着用後は、陰干しして湿気を取るようにしましょう。雨や雪などで濡れた場合は、軽く振って水滴を落としてから、乾いた布で押さえて水気をふき取ります。ファーに付着した埃やチリは、柔らかい洋服用のブラシで落とします。汚れや臭いが気になる場合は、クリーニング店を利用しましょう。

リアルファーは、家庭での洗濯は不可です。保管する際は、毛に癖がつかないように注意が必要です。ゆとりを持たせて箱に入れる、カバーをかけるなどを心がけましょう。先述した通り、虫害のリスクがあるため、保管の際は、防虫剤を利用することをおすすめします。

フェイクファーのお手入れ方法

フェイクファーも、着用後のお手入れ方法はリアルファーと変わりません。湿気を取り、埃やチリを柔らかい洋服用ブラシで落としてから、毛に癖がつかないように注意して保管します。フェイクファーは、リアルファーとは異なり、製品によっては自宅での洗濯が可能です。ただし、洗う前には、忘れずに洗濯表示を確認しましょう。

洗濯が可能な製品であれば、おしゃれ着用の中性洗剤をお湯に溶かして優しく押し洗いします。すすいだ後は、柔軟剤をぬるま湯に溶かして、同じように押し洗いをしましょう。水分は絞らずに、タオルを挟んで吸水します。その後、ドライヤーの冷風を当てて乾かしましょう。温風は素材が収縮する恐れがあるため、利用は控えましょう。

ハンドメイドには扱いやすいフェイクファーがおすすめ

リアルファーもフェイクファーもそれぞれメリットがあります。ただし、ハンドメイドの素材として利用する場合には、扱いやすいフェイクファーがおすすめです。ここでは、ハンドメイドの素材として利用しやすい3つの製品を紹介します。

ブライトフェイクファー[F2-5310]

ブライトフェイクファー[F2-5310]は、光沢があり、発色のよいフェイクファーです。ボリューム感となめらかな肌触りが特徴で、舞台衣装やステージ衣装に適しています。毛足の長さは約3〜4cm、カラーバリエーションは20色以上と豊富です。素材の色や質感がわかるサンプル帳で確認できます。

ブライトフェイクファー[F2-5310]

ブライトフェイクファー[F2-5310]

【サンプル帳】ブライトフェイクファー[F2-5310smp]

ブライトフェイクファー(短毛)[F2-5311]

ブライトフェイクファー(短毛)[F2-5311]は、ブライトフェイクファー[F2-5310]と同色で、毛足の長さが約2cmと短いタイプです。豊富なカラーバリエーションが特徴で、ボリュームがあり、なめらかな肌触りです。舞台衣装やステージ衣装のほか、アウターや小物などにも多く利用されています。

ブライトフェイクファー(短毛)[F2-5311]

ブライトフェイクファー(短毛)[F2-5311]

フェイクファー[F2-1051]

フェイクファー[F2-1051]は、発色のよさが特徴のフェイクファーです。毛足が約5〜6cmと長く、リアルな雰囲気を演出できるでしょう。そのため、舞台衣装やステージ衣装などに適しています。

フェイクファー[F2-1051]

フェイクファー[F2-1051]

まとめ

ファー(毛皮)には、動物の毛皮を使用しているリアルファーと、アクリルをはじめとする合成繊維で作られているフェイクファーに分けられます。

リアルファーは、高級感があり、保温、断熱に優れますが、手入れに手間がかかり、保管や利用にも気をつける必要があります。一方、フェイクファーは製品によっては自宅での洗濯が可能で、価格も比較的安価です。

ハンドメイドの素材には、フェイクファーを利用しましょう。
日暮里トマトオンラインショップは、綿・麻・ウール・化繊から、さまざまなプリント生地、インテリア生地まで幅広い種類の生地や布を取りそろえています。
低価格でありながら豊富な品ぞろえが特徴で、フェイクファーの素材の取り扱いも豊富です。ハンドメイド素材にファー、ボアを取り入れたい人はぜひご利用ください。

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